パテント解説 No.9 部分意匠について

 今回は、部分意匠についてご説明させていただきます。



部分意匠とは、物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって、
視覚を通じて美感を起こさせるもののことです(意匠法第2条第1項)。



 通常の意匠は、物品の全体を対象としています。たとえば、花瓶の場合、花瓶全体を対象としています。しかし、部分意匠では、
花瓶の取っ手の部分のみや、口の部分のみを対象とすることができます。花瓶の取っ手の部分意匠について意匠登録を受け
ることができた場合、取っ手の部分が登録意匠と同一であって、その他の部分が異なる花瓶にも、意匠権の効力が及びます。
つまり、部分意匠と同一の部分を有しその他の部分が異なる製品を、製造等する第三者に対して、その製造等を侵害行為として、
差し止め請求、損害賠償請求等を行なうことができます(意匠法第37条等)。



 部分意匠登録を受けるための条件は、通常の意匠と同様です。具体的には、主に、次の通りです。

@ 新規性を有すること(意匠法第3条第1項)。

A 創作するのが容易でないこと(同法第2項)。

B 先願意匠の一部と同一又は類似ではないこと(同法3条の2)。

C 不登録事由に該当しないこと(同法5条)。

D 先願であること(同法第9条)。



部分意匠は、全体としてはありふれている(新規性がない)が、部分的には大きな特徴点があるような意匠に、特に有効です。
たとえば、物品の部分のみをデザイン変更した場合などに、部分意匠の意匠登録出願をすることをお薦めします。
なお、部分意匠の効力も、登録意匠と同一の意匠のみならず、登録意匠と類似の意匠にも及びます(意匠法第23条)。