パテント解説 No.8 実用新案権の効力について

 今回は、実用新案権の効力についてご説明します。



1.実用新案権者は、独占排他的に登録実用新案の実施をすることができます(実用新案法第16条)。



2.他人に、専用実施権(実用新案法第18条)を設定することができます。専用実施権は、独占排他的な権利です。
従って、実用新案権者も専用実施権を設定した範囲では登録実用新案を実施することができません。しかし、一般に、
非独占排他的な通常実施権(同法第19条)よりも実施料を高く設定することができます。なお、専用実施権は、
特定の地域(たとえば関西)のみについて設定したり、特定の期間(たとえば契約から1年間)のみについて設定することもできます。



3.他人に、通常実施権(実用新案法第19条)を設定することができます。通常実施権は、非独占的な権利です。
従って、専用実施権とは異なり、通常実施権を設定した場合、通常実施権者のみならず実用新案権者も実施することができます。
さらに、通常実施権は、異なる他人に対して重複した範囲で設定することができます。なお、通常実施権には、
実用新案権者が設定するものの他、種々の通常実施権があります。たとえば、専用実施権者も通常実施権を設定することができます。
ただし、この場合、専用実施権者は実用新案権者の承諾を得る必要があります(同法第18条で準用する特許法第77条第4項)。



4.権利侵害をする者または権利侵害をするおそれがある者に対しては、差止請求を行なうことができます(実用新案法第27条)。
すなわち、侵害の停止または予防を請求することができます。差止請求をする際、侵害の行為を組成した物の廃棄、
侵害の行為に供した設備の除却その他の侵害の予防に必要な行為を請求することもできます(同法第27条第2項)。
その他、侵害者に対して、損害賠償請求権、不当利得返還請求権を行使することもできます。なお、特許権とは異なり、
実用新案技術評価書を提示して警告した後でなければ権利行使ができない点(同法第29条の2)に注意が必要です。